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アナザーストーリーズ 2025年4月2日 やなせたかし アンパンがヒーローになった日
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00:00子供たちのヒーロー、アンパンマン
00:05困っている人もお腹をすかせた人もいないようだな。よかった。
00:13主人公のアンパンマンは、お腹をすかせた相手に自分の頭を分けてあげる。
00:22今だ!
00:26顔が汚れて力が出ない。
00:30ああ、やった、やった、やったね。
00:33すごい懐かしい。
00:35大人たちの多くも子供の頃はアンパンマンと友達だった。
00:41小さい時に見てたのと、今息子が3歳なのでたまに見てます。
00:47子供には人に分け与える。そういう優しい子になってほしいなと思います。
00:56この春からの連続テレビ小説アンパン
01:01柳瀬隆の妻小松信をモデルに描く物語の中で
01:06隆を演じる俳優の北村匠は
01:12本当の正義って悪い敵をやっつけることなのか?
01:20違う。
01:23かっこいいことか?違う。
01:26実は原作者柳瀬隆が描いた絵本、当初は評判が悪かった。
01:35これ一冊でもう描かないでくださいとさえ言われた。
01:42これを理解するのはなぜ?
01:45小さい子供だけなんで大人はみんなくだらないって言うんだよね。
01:51絵本で顔をどうぞと渡すその行為が
01:57大人たちには気持ちの悪いものと受け止められたようで。
02:03そんなアンパンマンの世界に欠かせない存在が
02:07ライバルのバイキンマン。
02:11アンパンマンとバイキンマンの関係を見ていると
02:14必ずしも敵だけじゃなくて
02:16ちょっと不条理な感じもしたりなんかしたね。
02:19アンパンマンの正義と不条理。
02:23その奥に流れているのは戦争体験だった。
02:29これって戦争に行った人じゃないと
02:32絶対わからないことだと思うのね。
02:36柳瀬隆が異色のヒーロー
02:39アンパンマンに込めた思いとは?
02:59アンパンマンワールド
03:05正義の味方アンパンマンが大活躍するアンパンマンワールド。
03:10生みの親は柳瀬隆。
03:14柳瀬夫妻をモデルにした朝ドラアンパンでは
03:17私も隆の母親役として出演させていただきます。
03:23文明の分岐点は1973年10月1日。
03:34みんなが知っているアンパンマンが世に出た日です。
03:38子供用の絵本が全国の保育園、幼稚園向けに発行されました。
03:45この絵本には印象的な場面が描かれています。
03:51アンパンマンが自分の頭をお腹を空かせた相手に差し出しているのです。
03:57大人たちはこれに少なからぬショックを受けました。
04:03第一の視点は
04:08柳瀬スタジオの代表、小塩雅子。
04:1220年以上にわたり秘書として柳瀬を支えました。
04:19自分の頭を食べさせるという設定に込められた柳瀬の思いを明かします。
04:28柳瀬隆がアンパンマンを生み出すまでのアナザーストーリー。
04:34子供たちが熱心に見つめる絵本。
04:38そこにいるのはちょっと変わったヒーロー。
04:45お腹が空いた相手に自分の頭を食べさせて力をなくす。
04:52アンパンマンの頭を食べさせて力をなくす。
04:56アンパンマンの頭を食べさせて力をなくす。
05:01アンパンマンの頭を食べさせて力をなくす。
05:04水に濡れても力をなくす。
05:09こんなヒーローはなぜ生まれ、そしてなぜこんなにも愛されるのか。
05:19東京、新宿。柳瀬がアンパンマンを描き続けたスタジオがある。
05:26スタジオの関係者たちはデスクやその周りを柳瀬が描いていた当時のままに保存している。
05:35その一人が代表の小塩雅子。
05:42何が正しい正義かと思えば、目の前に飢え死にしそうにお腹空かせている人がいたら、
05:51自分の持っているパンを半分こしてあげたくなる気持ち、それが正義だって講演会で話していたのね。
06:02間近で見た秘書が語る柳瀬がアンパンマンに込めた思い。
06:11柳瀬は父親を早くに亡くし、高知県の叔父の家で育てられた。
06:19漫画家を志したが、一部の専門家には認められたものの、さっぱり売れなかった。
06:29そんな不遇の時期、54歳の柳瀬が描いたのが絵本、アンパンマン。
06:38主人公の頭はアンパン。お腹を空かせた旅人や森で迷った子供に頭を食べさせる。
06:49しかしこれが当初、関係者には大不評。
06:56出版社からはアンパンマンの絵本はこれ一冊でもう書かないでくださいと言われ、
07:03評論家からはこんなくだらない絵本は図書館に置くべきでないと言われ、世間からは黙殺された。
07:17大人には見向きもされなかったアンパンマン。
07:23けれどそのマントを後ろから引っ張る者がいた。
07:29子供たちだ。
07:34この時のことを生前柳瀬が語ったインタビューが残されている。
07:50子供たちの熱烈な支持でアンパンマンは生き残った。
08:03こうして人気作家となった柳瀬に、妻小松信が紹介した後の秘書、小塩雅子。
08:34小塩が柳瀬の秘書となった頃は、すでにテレビアニメも始まり、アンパンマンの知名度は一気に上がっていた。
08:46アニメ化にあたり、柳瀬自身が書いた貴重なラフイメージボードが残っている。
08:54アンパンマンの名誉は大きく上がっていた。
08:58柳瀬自身が書いた貴重なラフイメージボードが残っている。
09:04テーマはアンパンマンの誕生。
09:09妖精たちが住む世界でパン工場を営むジャムおじさん。
09:15そこにある日、命の流星群が降り注いだ。
09:20その不思議な力で生まれたのが命を持ったパン。
09:25それがアンパンマンだ。
09:32アンパンマンの頭は粒あんが入った美味しいパン。
09:39お腹を空かせた人に自分の頭を分け与えるのが彼の使命となった。
09:47アンパンマンの声といえばこの人。
09:51戸田恵子は最初の収録の時柳瀬にこう言われた。
10:22他にもアンパンマンは…
10:31顔が濡れるとパワーを失ってしまう。
10:37柳瀬はなぜスーパーマンやバットマンのような超人的なヒーローでなく
10:44かっこ悪く弱いヒーローを作り出したのか。
10:49柳瀬先生がアンパンマンを描いた頃に
10:53ヒーローものっていうのが結構流行ってるじゃないですか。
10:58悪を倒してその時に街が壊れたり何かしても
11:05正義勝って正義まぐもれてよかったねっていうお話になるんだけど
11:11柳瀬先生にしてみれば街を破壊したままにして
11:15相手を倒してそれで勝ったっていうのはおかしいっていう考えで。
11:24柳瀬が作中で描くヒーローたちはアンパンマンのことを徹底的に漕ぎ下ろす。
11:34偽物だ。漫画界から彼を追放する。
11:39実は柳瀬、アンパンマンという名の主人公が登場する作品を3つも発表している。
11:531969年に大人向けに描いた短編メル編。
11:591973年に幼児向けに描いた絵本。
12:03これが今おなじみのアンパンマンの最初の絵本。
12:08しかし1975年、なぜかもう一度大人向けに長編メル編を描いている。
12:16出版社も読者層も世界観も絵のタッチまで異なる。
12:23全く別の独立して存在するアンパンマン。
12:27しかも大人向けと幼児向けでは結末が全く違う。
12:37これがアンパンマンと題された最初の大人向けの作品だ。
12:46なんとこの小太りのおじさんは、
12:51彼は戦争で荒廃し、子供がお腹を空かせた地域にアンパンを運ぶ。
12:58ところがアンパンマンを待っていたのは、
13:03校舎砲陣地からの迎撃だった。
13:21この物語が発表された1969年はベトナム戦争の真っ只中だった。
13:52ただアンパンを運んだだけなのに、
13:56領空侵犯で撃ち落とされてしまう。
14:00このなんとも言えない不条理さ。
14:06こんな展開は当然のように見向きもされなかった。
14:13しかしやがて、
14:16これと酷似した展開の作品を6年後にもう一度書き直す。
14:21その前書きには、
14:26最初に書いたアンパンマンをいつまでも忘れることはできなかった。
14:32ああ、アンパンマン、僕はどうしても君の話をもう一度書きたい。
14:39ああ、アンパンマン、僕はどうしても君の話をもう一度書きたい。
14:46僕の祈りと熱血を込めて。
14:54そんなこだわりの中で生まれたのが、
14:58熱血メルヘン、快血アンパンマン。
15:06ここでもアンパンマンは領空侵犯で撃ち落とされてしまう。
15:11撃ったのは愛国心に燃える若い兵士だ。
15:17正義の銃弾はかえって正義そのものに命中したかもしれないということ。
15:25正義を撃ってしまう正義とはどういう意味なのか、
15:30そこに隠されているのはヤナセの戦争体験だった。
15:411941年、ヤナセは徴兵され、九州コクラの野戦銃砲隊に入隊。
15:51日中戦争に出征した。
15:54国のため、正義のための戦いだと聞かされていた。
15:59戦争の後、ヤナセは徴兵され、
16:03徴兵された時、正義の戦いで中国の民衆を救わなければいけないと言われた。
16:13ところが終わってみれば、
16:16俺たちが非常に悪い奴で、そうして侵略をしていたということになるわけでしょう。
16:23ヤナセは終戦とともに、一度正義を失った。
16:29子供の時から、忠君愛国の思想で育てられ、
16:34天皇は神で、日本の戦争は聖戦で、
16:40正義の戦いと言われれば、その通りと思っていた。
16:47しかし、正義のための戦いなんてどこにもないのだ。
16:52正義はある日、突然逆転する。
16:57正義は信じがたい。
17:04戦争がヤナセから奪ったものは、正義への信念だけではなかった。
17:11たった一人の弟、千尋。
17:15遺骨すらなかった。
17:17弟さんが戦死した悲しみっていうのは、
17:21自分がもういよいよ晩年になって、
17:25年をとるたんびにその弟が死んだことは、
17:29すごい残念だし、寂しいって。
17:33何が壮烈、何が戦闘、
17:37弟は何にもせずに激沈されたのだ。
17:42晩年に出した文書は、
17:45晩年に出した別の著書でも弟のことを振り返っている。
17:52幼年時代はコンパスで書いたような丸顔でした。
17:57アンパンマンの顔を書くとき、
18:01どこか弟に似ているところがあって、切なくなります。
18:07多くを失った末に、柳瀬がたどり着いたこと。
18:12コシオは生前の柳瀬から聞いた。
18:17何が正しい正義かと思えば、
18:21目の前に飢え死にしそうにお腹空かせている人がいたら、
18:27自分の持っているパンを半分こしてあげたくなる気持ち。
18:33柳瀬と共にアンパンマンの楽曲を手掛けた作曲家、
18:38近藤博明も柳瀬から戦争体験を聞いている。
18:43自分の目の前で食べるものが食べられないで
18:47亡くなっていく戦友がたくさんいたということは、
18:51ポロッと話されることがあって、
18:541キロのアンパン飲まし合ったら命を失うんだということが思われている。
18:58アンパンマンのこの姿は、
19:01戦争を経て柳瀬が到達した正義だった。
19:06だがこれは決して自己犠牲ではない。
19:12柳瀬先生は常におっしゃっていたのは、
19:16人生は喜ばせごっこですということで、
19:20自分は犠牲になっているというふうに思ってもいなくて、
19:23アンパンマンはそうしたい、そうすることが嬉しいというね。
19:28頭を削っても必ず邪魔者が作ってくれるんですけど、
19:32それはやっぱり戻ってきますからということを確信していますから。
19:36一回ぽっきりの意向犠牲ではなく、ずっと永遠に続いていく。
19:40顔をちぎってパンをあげるというのはすごく気持ち悪いという話もね、
19:45当時や今の時代の話を聞いている。
19:48でもやっぱりそれだけはダメですよね。
19:51あれがあったから成り立っていますよね。
19:54アンパンマンの誕生にも影響した戦争体験。
19:59しかし、戦争の話になると柳瀬の口は重かったという。
20:06自分だけが生き残って帰ってきたから、
20:11自分だけが生き残って帰ってきたから、
20:15そういう死んだ人たちに申し訳なくて、戦争のことは話せなかった。
20:23裁判年にやっぱり体験した人、人間として、
20:29戦争のことは語っておかなくてはいけないと言われて、
20:35この戦後の柳瀬先生のそういう思いの移り変わり、
20:40これって戦争に行った人じゃないと絶対わからないことだと思うのね。
20:47アサドラ、アンパンでタカシ役を務める北村匠も、
20:53その重さをかみしめ演じているという。
20:58やっぱり痛みを知った人が、痛みから目を背けるんじゃなくて、
21:04他に痛みを知っている人が、
21:07痛みから目を背けるんじゃなくて、
21:10他に痛みを抱えている人に寄り添うことだと僕は思うんですね。
21:14だから、戦争っていう経験はある意味では、
21:20柳瀬さんにとってすごく大きな痛みを知った経験だったんじゃないかなって。
21:29柳瀬が子供たちに向けて綴ったあとがきがある。
21:37本当の正義というものは決して格好のいいものではないし、
21:44そのために必ず自分も深く傷つくものです。
21:49私たちが現在本当に困っていることといえば、
21:55物価高や公害、飢えということで、
21:59正義の長人はそのためにこそ戦わねばならないのです。
22:06さて、こんなアンパンマンを子供たちは好きになってくれるでしょうか。
22:19こうしてついに誕生したアンパンマン。
22:24しかし、当時のアンパンマンにはなくてはならないあのキャラクターが見当たりません。
22:31そう、仇役なのにアンパンマンにも負けない人気を集めるバイキンマンです。
22:41バイキンマン登場の背景には柳瀬独自の世界観がありました。
22:48第二の視点は…
22:53作曲家、近藤博明。
22:57柳瀬と共に多くのアンパンマンの歌を生み出してきました。
23:03バイキンマン誕生のきっかけにも立ち会っています。
23:08アンパンマンとバイキンマン、善と悪が織りなすアナザーストーリー。
23:15バイキンマンとアンパンマン、善と悪が織りなすアナザーストーリー
23:19アンパンマンのライバル、バイキンマン。
23:46いつも悪さばかりする敵役だが、この人気。
23:52どうやら単なる悪者ではなさそうだ。
23:56バイキンマンの歌も存在する。
24:16作曲者は泉拓。
24:20いい湯だな。見上げてごらん夜の星を。
24:25恋の季節など昭和を代表するヒットメーカーだ。
24:31彼が柳瀬と組んで作った歌が。
24:46みんなみんな生きているんだ。友達なんだ。
24:56泉拓の唯一の弟子だった近藤博明は、その後をついでアンパンマンの音楽を担当している。
25:07行くぞバイキンマンでも編曲を担当した。
25:11近藤はバイキンマンにも柳瀬の人生が映し出されているという。
25:19自分の人生の中で相手にされなかった時代とか、
25:24一生懸命やってても、自分は面白いことやってるつもりでも、
25:28誰も見て見めきもしてくれなかったり、なかなか光が当たらなかった。
25:32そういう人生は怒られてたと思うんで、そこはやっぱりちょっとバイキンマンに投影されてるかもしれないですね。
25:39共にアンパンマンの世界を築いた音楽家が語る、バイキンマンに懸けた思い。
25:49バイキンマンの誕生は、とある舞台がきっかけとなった。
25:571976年でしたね。泉拓が僕の先生なんだけど、
26:03解決アンパンマンの絵本をもとにしてミュージカルを作るっていう話になって。
26:10衝撃場を満員にし、子供たちも大盛り上がり。
26:16近藤はミュージカルは大成功だと思っていた。
26:21だが柳瀬はこの舞台に満足しなかった。何かが足りない。
26:28善に対する悪というものがやっぱり必要で、
26:33必ずしも善がいつも善ではなく、悪はいつも悪ではなく、
26:39それが入り替わることもあるということも先生は思っていて、
26:43だからそのライバルとして、後敵手としてバイキンマンが必要だったんですよね。
26:47そしてこのミュージカルをきっかけに絵本に登場したのがバイキンマンだった。
26:54初登場の場面、バイキンマンはせせら笑う。
27:00食べるものを腐らせて、世界中の子供を腹板にしてやるんだ。
27:07バイキンで満ちた空気にやられて、気分が悪くなるアンパンマン。
27:15ジャムおじさんは憤慨し、巨大なアンパンマンを作る。
27:20大きくなったアンパンマンがバイキンマンを懲らしめるというお話だ。
27:29バイキンマンが登場すると、絵本の人気はさらに加速。
27:38そして1988年、ついにテレビアニメの放送が始まる。
27:45しかし、初回から演出を担当した長岡明則には、一末の不安があったという。
28:15当時はなんだこれって感じだったんじゃないですか。
28:18ヒーローなの?っていうくらいのヒーローじゃないですか。
28:20そこは大人たちには理解できなかったのかもしれませんよ。
28:29アニメの制作が決まったとき、柳瀬が書いた原作者の立場からの要望。
28:37そこにはバイキンマンの設定が詳しく指示されている。
28:41バイキンマンのキャラクターを強く、かつアンパンマンに匹敵するように設定してほしい。
28:53どこか憎めない、抜けているところがある。
28:59先生はアンパンマンよりもむしろバイキンマンの方のことを気にかけていたようで、
29:04バイキンマンがもしうまくいかなかったら、僕が代わりにやりたいぐらいだっていうふうにおっしゃってました。
29:12柳瀬がなみなみならぬこだわりを見せたバイキンマン。
29:18いつも悪さをしては懲らしめられるが、アンパンマンは決してバイキンマンを滅ぼしはしない。
29:28バイキンマンだって、バイキン城に帰ればドキンちゃんが待っている。
29:34アンパンマンがアンパンチーで最後をやっつけるときに、
29:39結果的にはバイキンマンを家に返してあげているということになっているんですね。
29:45やっぱり共存していくってことだと思うんですよね。
29:50バイキンだからっていって、悪だからっていってそれを死滅させちゃうんじゃなくて、
29:57戦うことによってお互いの力がしっかり強くなって生きていくバランスなのね。
30:06柳瀬自身もこう語っていた。
30:10これはね、この世の中も同じなんで。
30:14例えばですね、全部反対派をやっつけてしまうとですね、ファシズムになるんです。
30:22全体主義になってしまう。
30:23その国家はいずれは滅亡するんですよ。
30:28ということでですね、何かの反対があって、光と影があってですね、
30:36これが非常にバランスよくいっている場合が健康なんです。
30:41アンパンマンもバイキンマンもどこか弱さを持っている。
30:47だからこそ愛され、その人気は今に続いている。
30:54バイキンマンは大の寂しがり屋。
30:58近藤はそれは柳瀬も同じだという。
31:04バイキンマンというのはやっぱりこう、なんて言うんですかね、
31:07心の優しさもあって、寂しがり屋で、かまわれたいというのがあるじゃないですか。
31:16用もないのに電話を買ってくる時なんですよ。
31:19用もあるでしょうけど、電話じゃなくても会った時でもいいこともあるじゃないですか。
31:25相当先の話だという。
31:27みんな集めるのが好きだったし、会をやることが大好きだったんで。
31:33それはまさに寂しがり屋ですよね。
31:36寂しがり屋だからお祭りが好きだというか。
31:41相手が喜ぶこと、驚くことをしたい。
31:46柳瀬は晩年までずっとそんな調子だった。
31:51どうぞよろしくお願いいたします。
31:57歓迎のご挨拶です。
31:59よくいらっしゃい。
32:16バイキンマン誕生より前に、柳瀬はバイキンの歌という詩を書いている。
32:27目に見えないバイキンだから、ほんのみじめな暮らしだが、人間だって同じさ。
32:35この世に湧いて消えていく。仲良くしよう。どうせ俺たちバイキンだもの。
32:46こうしてアンパンマンの世界が出来上がり、現在まで人気を博してきました。
32:57遅咲きの作家柳瀬でしたが、その活躍は実に多彩です。
33:06商業デザイナー、作詞家、雑誌編集者。
33:13裁判年に至るまで常に何かを作り、子供たちに贈り続けた柳瀬隆。
33:22第三の視点は、編集者平松律子。
33:3113歳の時に、雑誌シトメル編で柳瀬の言葉とイラストに出会い、担当編集者になりたいと願い続けてきました。
33:43そして柳瀬から最後の原稿を受け取ることになります。
33:51柳瀬隆の晩年に寄り添った編集者だけが知るアナザーストーリー。
34:03柳瀬が晩年、平松に託した作品がある。
34:09東日本大震災の時、岩手県陸前高田市の7万本の松のうち、1本だけ津波で流されずに残った松をテーマにしたもの。
34:23平松は、この1本松と柳瀬との関わりを間近に目撃している。
34:32アンパンマンで支援はできないけれど、僕柳瀬隆が君を応援しようって言ってくださったんです。
34:4438年にわたり、柳瀬の背中を追いかけた担当編集者が語る、裁判年。
34:54柳瀬はアンパンマン以外にも驚くほど多岐にわたる仕事をしている。
35:03詩人、舞台美術、晩年には作曲まで行った。
35:10実は、あの老舗百貨店三越の包装紙の文字デザインも柳瀬によるもの。
35:23中でも特に力を注いだ仕事が雑誌、詩とメル編。
35:31柳瀬自らが責任編集を務め、すぐに文学少年、少女たちの心をつかんだ。
35:4013歳の平松もその一人だった。
35:46夕日に向かって叫びなさい。お前も一人、僕も一人。そんなに赤く燃えていても、僕と同じ仲間だと。
36:00これなんだろうと思って手に取り、中を開き、その時にそこに書かれている言葉に誰が書いているんだろうという初めての出会いはその衝撃。
36:17大人になったらこの柳瀬さんの本を作る人になりたいと、13歳の頃の私は思ったんですね。
36:27それから平松は何度も柳瀬に手紙を送り、柳瀬もまた返事をくれた。
36:37まだ15歳の平松が手作りのエプロンを送った時には、手書きのイラストでお礼の手紙が届いた。
36:46柳瀬の本を作る人になる。その決意は揺らぐことなく。
36:57シトメルヘンの出版社サンリオに入社。しかし柳瀬との接点をつかめぬまま、出産で退職。
37:08それから20年後、子育てから手が離れると、朝日学生新聞社に再就職。
37:19ようやく柳瀬との仕事の機会を得る。しかし柳瀬はすでに91歳。
37:27先生は僕は忙しいんだよと、私のお願いを、最初はNGを出されたんです。
37:38またいつもの常トークが、僕は死んでしまうから分からないなとかおっしゃったけれど、
37:45とにかく分かったから、その日は私は分かったからというお言葉で会社に戻ったんですね。
37:53ところが一週間も経たずに電話が鳴った。原稿ができたから取りに来なさいというのだ。
38:05まさに一番欲しかった絵柄。先生がよくモチーフにおかきになる虹がそこに描かれてるんですね。
38:13その色味と配置、小さい頃から慣れ親しんだ柳瀬ワードとかがそこにあり、
38:21もう先生ありがとうございます状態で幸せマックス状態で持ち帰りました。
38:31柳瀬の編集者を志してから実に30年経ちました。
38:38柳瀬の編集者を志してから実に30年以上。
38:44ようやくたどり着いた矢先、あの悲劇が起きる。東日本大震災だ。
38:55平松は故郷陸前高田の海岸に一本だけ残った松を保存したいと思い、
39:03アンパンマンの力を貸してほしいと柳瀬に頼んだ。
39:10その時に先生ははっきりとアンパンマンは一つの町を応援することはできないんだよとおっしゃったんです。
39:20今回の場合は様々な町がたくさん大きな被害を出されているのに、
39:27陸前高田という町をアンパンマンが応援することはできない。
39:33その後に先生はアンパンマンで支援はできないけれど、
39:40僕柳瀬たかしが君を応援しようって言ってくださったんです。
39:47そう言って柳瀬は個人的に1000万円を陸前高田市に寄付。
39:54さらに一本松をモチーフに無償で絵や物語を描き提供した。
40:04しかし一本松を保存するには1億5000万円もかかる。
40:13柳瀬には全額自分で出す選択肢もあったが。
40:191億5000万円を自分が出すのはいいけれど、
40:25でもそうなるとあの松は僕の松になってしまう。
40:30それは良いことではないと僕は思うよって。
40:34100円でもいくらでもいいからまずみんなで集めなさいという話をしてくださったんですね。
40:42柳瀬の作品も後押しとなり、寄付金は目標額を超え、一本松は残された。
40:54お寺も流されているところもありますし、お墓もなくなっているところもありますし、
41:01最初の一周期、1年目の3月11日を迎えるにあたり、祈る場所がなかったんですね。
41:09みんなは松に祈りを捧げる場所ができたわけです。
41:19この時柳瀬は92歳。亡くなる2年前のことだった。
41:29戸田は最後に見た柳瀬の姿が忘れられないという。
41:35新神戸にできたアンパンマンミュージアムのテープカットにご一緒をしたんですね。
41:41登場する袖のギリギリのところで杖をついてらしたんですけど、杖を置いていこうとおっしゃったから、
41:50みんなの子どもたちの前でそういう杖をついている姿を見せたくないんじゃないかなと私なりに察して、
41:58分かりました、じゃあ私がかっこよくエスコートしていくので、私の手に捕まって腕に捕まって一緒に出ましょうって言って。
42:07出ていく様がとても印象的で、ちょっと思い出すと泣けてきちゃうけど、やっぱり120%頑張る。
42:1990歳を過ぎても喜びを与え続けてきた柳瀬が亡くなる5日前に平松に渡した原稿。
42:31タイトルはコナ。
42:34粉雪の化身の少女コナと山で暮らす孤独な男との出会いと別れの物語だ。
42:44粉は突然現れ、男の孤独を慰めてまた去っていった。
42:52改めてその作品を読み返した時に、その原稿の一番最後に終わりっていう三文字が添えられていたんです。
43:06今まで一度もなかったものが、粉だけは終わりって入っていたのですよ。
43:13平松は今、児童指導員としても働いている。
43:18アンパンマンを知らない小学生は一人もいません。
43:23シビッコたちの話を聞いてますと、アニメや絵本の中から学んでいるのかなって。
43:30子供は子供なりに差し出す意味を感じ取っているんだろうなって。
43:36さあ、僕の顔を食べなさい。ひもじい人の味方、アンパンマンの顔はとびきりおいしいのだ。
44:07自分に自信がなかった少女は、タブーに正面から挑むアーティストへと進化。世界を驚かせていく。
44:20強烈な光を放つクイーンオブポップの生き様。BS、今夜11時25分。
44:36火曜夜9時にお引越し。
44:39水曜夜はアナザーストーリーズ。文明の分岐点、ますますパワーアップ。
44:45あの番組が帰ってきた。木曜の夜は世界入りにくい居酒屋。
44:50そして金曜の夜はマスターもご出演。美の都合。
44:55そうそう。BSへお借りが来る。

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