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ショートトランスクリプション
00:00今夜の行転は
00:06ある日気づいた口の中の小さな異変
00:10口内炎
00:11その口内炎らしきものはなかなか治らなかった
00:16実はそれは口内炎ではなく
00:20癌だった
00:21後に彼女の命を脅かすもの
00:25しかし医師たちは
00:27ビタミンBが不足しているのかもしれないですね
00:30お薬出しておきますね
00:32レーザーで焼いておきましょう
00:33彼女が口内炎だと思い込んでいたこともあり
00:37口内炎の治療を続けた
00:39そしてそれが癌だと分かったとき
00:43提案された治療法は舌の切除
00:47率直に申し上げますが
00:49元通りの喋り方に戻ることは難しいです
00:535年生存率は50%
00:56舌を失い痛えなくなる
00:59そんな現実を突きつけられたのが
01:02なぜ癌だと診断されなかったのか
01:06そこにこの癌の恐ろしさ難しさがあった
01:10今夜のゲストはこちらの皆さんです
01:17がん発見が遅れた衝撃の理由
01:23それに気づいたのは2018年5月のことだった
01:28都内のスタジオでボイストレーニングを受けていた
01:33分かりました
01:36次は鏡を見て舌の動きを確認しましょう
01:40正しい発生を身につけるため舌の動きを確認
01:45はい3秒ぐらいずつ繰り返して
01:47その時舌の裏側に小さな白い点
01:54航内炎化
01:57だが特に痛くはなかった
01:59はいじゃあ次はスタッカートに強く発生していきましょう
02:03まさかこれが舌にできた癌などと思うはずがなかった
02:08つけめ
02:09ちえみはバラエティ番組や情報番組のコメンテーターなど
02:15いつもと変わらぬ仕事をこなした
02:17そして1ヶ月ほど経ったある日
02:21今度は舌に違和感が
02:24ピリピリとしびれるような感覚
02:27終わりました
02:28お願いします
02:29この航内炎のようなものは
02:35少し大きくポツンとしたものになっていた
02:39あらだ
02:40どうしたんですか
02:42航内炎
02:43ちょっと前にもできたのよね
02:45痛ければ薬買ってきましょうか
02:48大丈夫
02:49まだそんな痛くないから
02:51翌日
02:52定期的に通っている病院で
02:55下に航内炎ができちゃったんですよ
02:58ちょっと見せてもらえますか
03:00本当だ
03:02ビタミンBが不足しているのかもしれないですね
03:05お薬出しておきますね
03:07こうしてビタミン剤を処方してもらった
03:11この時点で医師も航内炎だと診断したのだ
03:16その数日後
03:20いただきます
03:22うーん
03:23これもらう
03:24痛い
03:26食べ物が染みるようになった
03:28なかなか
03:29口内炎が治らなくて
03:31実は
03:32知恵美は
03:33口内炎ができる理由を
03:35自分なりに理解していた
03:37それは
03:38関節流末の薬を飲んでいたから
03:42関節流末とは
03:46免疫の異常で
03:47関節などに炎症が起き
03:49腫れや痛みが出る疾患
03:51彼女も50歳の時に関節流末だと診断され
03:56医師にこう言われていた
03:59今はいい薬があるので
04:01痛みを抑えることはできますが
04:03代表的な副作用として
04:05口内炎が出ることがあります
04:06なるほど
04:06そう
04:07薬の副作用として
04:10口内炎ができると
04:12関節流末は
04:14体内で事故を攻撃する
04:16免疫反応が働き
04:18自分の関節を攻撃してしまう病気
04:21そのため
04:22薬で免疫反応を抑える必要がある
04:25だが
04:26強く抑えすぎると
04:28重度の口内炎を発症したり
04:31白血球が減少したりすることがあり
04:33感染症を引き起こすことがある
04:36彼女もリュウマチは薬で収まっていたのだが
04:44口内炎の副作用なんてなかったのにね
04:46疲れてるのかしら
04:48リュウマチの痛みに比べれば
04:51口内炎の痛みなんて
04:53その後もたびたび
04:59口内炎の痛みに悩まされたが
05:01痛みがずっと続くわけではない
05:07全く痛まない日もあった
05:10だが
05:12口内炎を見つけてから
05:144ヶ月ほど経った頃から
05:16常に痛むようになってきた
05:20以前よりも大きくなり
05:24じゅくじゅくとした白い縁ができていた
05:27はい、しへみ入りました
05:44しへみが長年レギュラー出演していた
05:49関西の番組
05:50しんぷいぷい
05:52その番組で共演していた
05:54かつらなんこ
05:55なんや
05:57まだ口内炎治れんのかいな
05:59そうなんです
06:01もう痛くて
06:02南高には口内炎の痛みを話していた
06:07その後
06:08リュウマチ科の定期診察で
06:10薬の副作用ですね
06:12薬をやめれば治ると思いますが
06:16またリュウマチの痛みを出るのも
06:18つらいですよね
06:19はい
06:20薬は継続していきましょう
06:22口内炎にうがい薬を出してきますよ
06:28リュウマチの医師も副作用による口内炎だと思った
06:33そうこの時点で絶がんの専門医ではない医師は
06:39舌のがんを最初に疑うことはなかったのだ
06:42その一因は
06:44認知度の低さにある
06:47口の中にできるがん
06:51いわゆる航空がんは非常に稀ながんで
06:55全体のがんの1.2%ほど
06:58がん検診でも航空がんまで調べることは少ない
07:04実はシエミも毎年人間ドックは欠かさず受けていて
07:10異変を感じる4ヶ月前にも受診していたが
07:14そこでも航空がんを疑われることはなかった
07:18治らない口内炎はがんを疑うようにと
07:24診療ガイドラインにも書かれているが
07:27口内炎が出る薬を内服している場合
07:30最初から絶がんを疑って診察することがなく
07:34がんとの見分けがつかなかったのだと思われる
07:37え、また痛くなったの?
07:41当然、良くなるはずなどなく
07:44リュウマチの薬やめられないんだよね
07:46そうね、リュウマチはもっと辛いからね
07:50口内炎ならさ、歯医者さん行ってみるわ
07:54いつも行っているところ
07:56確か看板に航空外科って書いてあったよ
08:00航空外科は歯科医の中でも
08:06より高度な外科手術などを行う科目で
08:09口の中や顎などの治療も行う
08:12口の中にできたがんに関しても専門
08:15知恵美は近くの航空外科を訪ねてみた
08:19しかし
08:20確かに良くないですね
08:24リュウマチの薬の副作用なんですけど
08:27薬やめるわけにはいかなくて
08:30じゃあレーザーでやりときましょう
08:32すぐ髪は和らぎますよ
08:34レーザーの準備をお願いします
08:36実は航空外科の看板を出していても
08:41専門医ではない場合がある
08:43専門医ではなくても
08:47歯科医が航空外科の看板を掲げることは
08:50法律的には問題はない
08:52実際に知恵美を見た歯科医師も
08:57航空外科の専門医ではなかった
09:00そのため正しい診断ができなかったのだと思われる
09:04彼女もブログに
09:07また口内炎
09:09あまりに痛みがつらいので
09:12レーザーで焼いてもらいました
09:14リュウマチの薬の副作用なので
09:17仕方がないです
09:19全く疑っていなかった
09:21分かんない
09:22この間にガンはどんどん進行し
09:32空気に触れるだけでも激痛が走るように
09:35さらに首の痛みも
09:43そして症状が出てから
09:59なんと8ヶ月が経過した
10:012019年1月16日
10:04夜中
10:08あまりの痛みに目が覚めた
10:10なんと亀裂が入り出血していた
10:18本当に口内炎
10:25何か違う病気なのでは
10:28ここで初めてした
10:31口内炎
10:32治らないと検索してみた
10:34すると
10:40自分の症状によく似た写真
10:43色、広がり方、亀裂まで
10:46そして
10:47そこには
10:50ガン
10:51絶ガンの文字が
10:54舌にガン
10:57舌にできるガンがあることすら知らなかった
11:02そして病院で
11:04思いもよらぬ宣告を受けてしまう
11:07ほんまに今はこんな元気だったよね
11:10よかったなと思う
11:12本当にね
11:14失敗してたでこれ
11:16本当やばいと思いました
11:19なあ
11:20でも2人は同期なの?
11:22同期です
11:23その時にお電話で話したよね
11:35肛内炎とはまた違うんですか痛みは最初のでも肛内炎よりは痛まなかったし途中で痛くてもやっぱ痛みがピタッと止まって普通あるよね肛内炎できてまたできるっていうのがそれもありますもんねその時リュウマチの薬飲んでるっていうのがややこしいなそれはい
12:05肛内炎の治療を続けてきたのに絶がんかもしれない絶がんは口の中にできる航空がんの一種一見肛内炎に似ているが炎症が起きているメカニズムが全く異なる
12:26肛内炎は口の中の粘膜に生じる炎症だが絶がんは舌の上皮細胞ががん化したもの
12:34主な原因は喫煙、飲酒などの生活習慣さらにニシバの放置や口の中の不衛生などが挙げられるが決定的な原因は分かっていない
12:49肛内炎と絶がんは初期の見た目は非常に似ているが症状が進むと絶がんの方は硬いしこりができてくる
12:59肛内炎の場合、1週間程度で治る可能性が高いため、2週間以上治らない場合は専門医で受診し細胞検査を受けるべきなのだが
13:12リュウマチの薬の副作用だと思い込んでいた千恵美は自覚症状が出てからすでに8ヶ月が経過していた
13:20これは舌のがん、信じたくなかった
13:26だが次々に出てくる写真はどれも自分とよく似ている
13:32ちょっと待ってよ
13:34そして
13:352003年撮影、半年後死亡
13:40さらに
13:41症状が進むと
13:43リンパ節眠って
13:45最近感じるようになっていた首の痛み
13:54自分の思い違いであってほしいと願い
14:00何か安心する記事はないかと検索しているうちに朝になっていた
14:06おはよう
14:09あれどうしたの、こんなとこで
14:11私の肝炎だけど
14:15なんかがん見えた
14:17へえ
14:19そんなことないだろ
14:22これ
14:23実眼の写真
14:25私の症状と同じなの
14:29それは
14:33夫の目にも同じに見えた
14:35これ
14:36どう見てもがんでしょ
14:40いや、まだ分からないよ
14:42とりあえず決めつけないで
14:44大きな病院で一回見てもらったほうがいい
14:49まだ決まったわけじゃないんだから
14:53今日仕事は
14:55休めないよ
14:57えっ
14:58この日は関西でレギュラー出演している生放送があった
15:03番組に花開けるわけにいかないから
15:07今日は行ってくる
15:10分かった
15:12病院の予約はとりあえず俺がしちゃうから
15:16お願い
15:20本当にがんなのか
15:22いや、きっと違う
15:24なんとか自分を保とうと否定しては
15:27あまりにも似ていたあの写真を思い出す
15:30そして、この後千恵美は家族も驚く決断を下す
15:38ガンカモという不安に襲われながらも
15:41仕事先の大阪のテレビ局に着くと
15:44ある人のもとへ
15:49共演者の桂南光だった
15:53家族ぐるみの付き合いはもう20年以上
15:57芸能界のお父さんのような存在だった
16:03私の口南炎、ガンだったみたいなんです
16:10ほんまか
16:11抱え込んでいた不安を吐き出すように
16:14ネットで見つけた写真のことなどを伝えた
16:18このことは南光さんにしか言ってないから
16:21まだ誰にも言わないでもいてください
16:24ああ分かった
16:262019年1月21日
16:30口内炎らしきものを見つけてから8ヶ月
16:34都内の大学病院へ
16:37このとき診察したのは航空外科の阿部医師
16:41じゃあ、舌を見せていただいてもいいですか
16:44口内炎ですね
16:47そう言われることを祈っていたが
16:50医師の表情がそうではないと言っていた
16:56ちょっと触りますよ
16:58そして
17:02今日ご家族はご一緒にいらしてますか
17:10いいえ、主人は仕事で来れなくて
17:14そうですか
17:16ご家族は他にはどなたかいらっしゃいますか
17:19いますけど、今みんな仕事中で
17:23そうですか
17:25知恵美は覚悟ができていた
17:29私、大丈夫です
17:32先生、これは
17:34悪性でしょうか
17:36その可能性が高いと思います
17:40やはりそうだった
17:43そして、首のリンパ節のエコー検査
17:49それは、自備咽喉科の福岡医師が行った
17:53他の検査と合わせて評価する必要がありますが
17:57エコー検査場は
17:59首のリンパ節に複数の転移が疑われます
18:03首のリンパ節にも転移が
18:07この診断を受け出した福岡医師は
18:12発見が遅れたことについて
18:13どうしてもですね
18:16悪性症となかなか見分けがつかないんですけども
18:19やはりそれを普段から見慣れている専門医であれば
18:23もっと早い段階で見つけられたのではないかなというふうに思います
18:28治療については、航空外科で説明された
18:31ガンを撲滅させる治療は大きく分けて2つあります
18:36まず1つの選択肢は、外科手術です
18:40最も5年生存率が高い治療は
18:44ガンに侵された組織を手術で切り取り
18:47その代わりに、体の他の部分の組織を移植する再検手術
18:51実は、ガン細胞が舌やリンパ節だけに留まっていれば
18:58この切除手術を行うだけで済み
19:01後に抗がん剤や放射線などの治療を
19:04必ずしも行う必要はない
19:07だが、これは舌を大きく切り取る手術
19:11手術後に関しては
19:13率直に申し上げますが
19:16元通りの喋り方に戻ることは難しいです
19:18え?
19:22食べること、喋ったりする機能は
19:25ある程度は下がります
19:27手術により再検された舌は
19:31見た目は以前の舌のように見えるが
19:34全くの別物となってしまう
19:37移植した組織はエシシナリオに血管をつなげるが
19:42神経はつながっていないため動かないのだ
19:45つまり、残された元の舌だけで舌全体を動かさなくてはならない
19:53実は、人は舌を巧みに使い
19:58食べ物を歯の方に運び、噛み砕き
20:01それを喉の方へ運び、飲み込んでいる
20:04喋る時も様々な動きをし、言葉を発している
20:11再検し、動きを制限された舌には
20:15100%以前の動きを取り戻すことは不可能だった
20:19一方、舌を切り取らない場合
20:23抗がん剤や放射線を組み合わせた治療のみで
20:27がん細胞を叩く治療となる
20:30この場合、手術よりも5年生存率は落ちるという
20:34さらに、こんな話もした
20:39その他の選択肢としては、薬で痛みを取り除き
20:43がんの進行を抑える治療もありますが
20:46それは、あくまでも治療を希望されない方や
20:49有効的な治療がない方などに行うものです
20:53感知を目指すものではありません
20:56そうですか
20:58それは、つまり、緩和ケアのことだった
21:01症状を見る限り、かなり急いだ方がいいので
21:06すぐに検査入院を行いましょう
21:09検査入院はどのくらいかかりますか?
21:121週間ほどです
21:15この後も仕事は入っていた
21:18そうなるわな
21:21では、一泊でもいいので
21:23できるだけ検査を進めましょう
21:25診察後、出張先の夫に電話をした
21:31やっぱりがんだった
21:34そうか
21:37もう帰れるんだけど
21:40子供たちの顔見たら、普段通りいられないよ
21:45子供たちの前で正気を保てる自信がなかった
21:49分かった
21:52何とかして、夜までに帰るから
21:55外で待ち合わせして、一緒に帰ろう
21:58うん
21:59うん
22:02堀千恵美
22:03彼女は若くして成功を収めていた
22:0734歳の時、経験したことのない腹痛に襲われた
22:12大丈夫ですか?お腹痛いですか?
22:15病名は、直発性重症急性衰炎
22:18何らかの原因で、水液が水蔵自体を溶かし
22:24炎症を起こし、激痛を伴う病
22:28この治療は想像を絶するほど辛い
22:32それは、1ヶ月ほど水分も食べ物も口から取ることはできず
22:37天敵のみで過ごさなければならない
22:40この病を経験した後、48歳で、右足の付け根に激しい痛みが
22:48その原因は、突発性大腿骨とエッショ
22:54何らかの原因で、大腿骨に血液が行き渡らなくなり、エッショする
23:00そこに、荷重がかかり、押し潰されて激しい痛みが出る疾患
23:04血液は人工関節を入れる手術をした
23:10そして、それを乗り越えたばかりも2017年
23:14今度はリウマチを発症
23:19薬でようやく痛みから解放されたのに
23:23今度は癌になるなんて
23:26自分の人生があまりにも濃くに感じた
23:31夫と待ち合わせまでの時間
23:36長くなるであろう入院生活に備え、髪を切ることにした
23:41一方でこんな思いも
23:44私の人生、これで終わってもいいのかもな
23:49痛みに耐え続けることに、もう嫌気がさしていた
23:54さらに
23:55元通りのしゃべり方に戻ることは難しいです
23:59たとえ手術が成功しても、もう普通にしゃべれることはないのか
24:06治療はやめて、緩和ケアを選ぼう
24:11そう心に決めた
24:12いや何かこうがんかもしれないって
24:19もうネット見てこれがんぽいなってなった日に仕事行くっていうのもやっぱすごいですよね
24:26強いよね、そうですね、一人で聴いたのもそうだし、大病何度も跳ねのけてっていう強さはすごい感じますよね
24:36そうだな
24:38うんうん
24:39がんの診断を受けて帰宅し
24:44子どもたちに病気のことを告げた
24:48そして
24:49お母さんね
24:52もう
24:55緩和ケアでいこうかなって思ってるの
25:03なんで
25:05なんでそんなこと言うの?
25:11手術が一番正常率高いんでしょ?
25:14そんなこと言わないでよ!
25:17でも
25:20手術してもどうなるかはないんだよ
25:21お願いだから手術してよ!
25:25私は
25:2716歳だよ
25:29まだ
25:31お母さんと16年しか一緒にいないんだよ
25:35署名なくなっても
25:39話聞いてくれるだけでもいいから
25:42お願い
25:43お母さん、お母さんにいてよ
25:46お母さんにいてよ
25:50娘の言葉にハッとした
25:52すごいね
25:54自分の命は自分だけのものではないと
25:59この命は家族のものでもあるんだ
26:03そう気づかされた
26:04ふっ
26:08ふっ
26:10ふっ
26:12翌日
26:14CT、MRI、さまざまな精密検査が行われた
26:19医師からは1週間ほど検査入院が必要と言われたが
26:23予定が取れず、必要最小限の検査に変更して1泊2日で行った
26:33その検査から13日後の2月4日
26:36検査の結果、扁平上皮癌という診断でした
26:42ステージでいうところの4ということになります
26:46下の癌の大きさは3センチほどで、1から4段階の3段階
26:52首はリンパ節転移が認められ、1から3段階中2段階
27:00以上を総合的に判定すると、ステージは4となる
27:065年生存率は50%だった
27:11手術枠は2週間後に確保しました
27:15痛みに関してはお薬で調整しましょう
27:18はい
27:19家族には余計な心配をかけたくないと
27:25明るく振る舞ったが
27:28あっという間に、体中に癌が広がるんじゃないか
27:35そんな恐怖が頭をよぎる
27:38そして、千恵美は身辺の整理を始めた
27:43家族写真を整理し、独立している子供たちにそれぞれの写真を送った
27:52さらに、今まで自分でやっていた個人事務所のお金の管理をすべて夫に引き継いだ
28:01こうしている方が、なぜか気が楽だった
28:07手術の3日前に入院
28:11病室からブログを更新し、がんを公表した
28:15私、堀千恵美は、航空がんと診断されました
28:21いわゆる、絶番です
28:24ステージは4です
28:26私は負けません
28:27力いっぱい戦って、必ず戻ってきます
28:35もう喋れなくなってもいい
28:38歌えなくなってもいい
28:41この先もまだ子供たちとともに、人生を歩んでいきたい
28:462019年2月22日、手術は、航空外科、自備咽喉科、形成外科の混合チームで行われた
29:00腫瘍の大きさはおよそ3センチあり、下の6割以上を切除する必要があった
29:076割といっても、下は喉の奥まであるので、目に見えている部分のほとんどを切除した
29:14さらに、転移が見つかった、左の首のリンパ節をすべて切除
29:2111時間以上もかかる、大手術となった
29:26舌の大半を失っても諦めない、戦いの日々が始まる
29:31舌を切除する手術は、11時間以上もかかる大手術に
29:38失礼します
29:40手術は無事で終わりました
29:41先ほど意識も戻りましたので、今からICUへ移動します
29:45ありがとうございます
29:47こちらでお待ちください
29:50手術の成功を受け、命の希望が大きく膨らんだ
29:55知恵美も前向きに舌の訓練を開始した
30:00その実際の映像がある
30:02ゼリーを舌の上に乗せ、飲み込む訓練
30:09ある程度これができるようになると、次は発声練習
30:19しかしまたも新たながんが見つかってしまう
30:36切除するっていうことって、イオちゃんも考えられないでしょ、それは
30:44電話でお話したときも、その話をね、してて、電話で、なんかしゃべれるのもね、なんていう話をしたけど、いや、大丈夫だよっていうね。
30:54イオちゃんはすごいプラスに持っていけるように、アドバイスっていうか、出てくれたやけど、でも不安やな、そんなんな。いや、めちゃくちゃ不安ですよね。やっぱり堀さん、歌い手でもあるから、もちろんそこへの思いもね、あったでしょうし、もうちょっと早くがんやと分かってたら、もうちょっと違う処理の仕方もあったやろね。
31:24長期発見をできるかどうかで、その後の生活っていうのを質に、やっぱりどれだけ影響が残ってしまわない。だからこれ見てはる人も、私も人じゃないの、早いってほうがやね。
31:40絶がんの手術から2週間後。
31:42手術後に行った検査の結果、病変は完全に切除されていることが確認されました。
31:49この結果であれば、抗がん剤治療や放射線治療を行う必要はないかもしれません。
31:54え、本当ですか。
31:55病変が完全に切除されていることが確認されたため、抗がん剤や放射線治療は必ずしも必要ないと判断された。
32:06体も、あと2週間ほどでできるでしょ。
32:102週間ですか。
32:11体からがん細胞は消えた。
32:16また家族との生活に戻れる。
32:19退院に向け、胃カメラなどの検査を受けた。
32:23これは手術前にやるはずだったもの。
32:271週間かかる検査入院を、1泊2日にしたので後回しにしていた。
32:35その検査を終えて病室にいると。
32:39はい、どうぞ。
32:41ちょっとよろしいですか。
32:44それは消化器内科の医師だった。
32:47なんかこれ怖いよ。
32:48先ほど行った胃カメラの検査で、食堂に気になるポリープが見つかりました。
32:55ポリープ?
32:58食堂の上部にポリープが発見された。
33:03もちろん、悪性かどうかは分からないが、すでに転移しているものだったら。
33:09この先、いろんなところに転移が見つかるかもしれない。
33:14入院からおよそ1ヶ月後、食堂のポリープが悪性か。
33:22その結果はまだ出ていないが、舌の回復は順調だったため、予定通り一時退院となった。
33:30いや、お母さん、お腹空いてる?私なんか作るよ。
33:35いや、ちょっと疲れてるから。
33:39部屋で休んで。
33:42食堂への転移。
33:43その恐怖が頭から離れない。
33:48やっぱり、体中がんに侵されていたんだ。
33:53この先、何度苦しい手術に耐えなければならないのか。
33:57その数日後、食堂ポリープの検査結果が告げられた。
34:07食堂にできていたポリープは悪性でした。
34:12絶望的だった。
34:15が、しかし。
34:16ですが、これは絶がんが転移したものではないです。
34:20え?
34:22全く別でできたものです。
34:25食堂にできたがんは、絶がんから転移したものではなく、
34:30同時に他の臓器にできる重複がんと言われるものだった。
34:35つまり、がん細胞が体中に散らばってできたものではないということ。
34:41発見が早かったので、ステージで言えばゼロです。
34:46食堂以外の箇所も検査しましたが、
34:48他に異常は見られませんでした。
34:54がんは食堂の粘膜層だけにあり、
34:58それ以上浸透していない、本当に初期の状態だった。
35:04こうして、内宿鏡を持ち、わずか1時間で取り除いた。
35:09この手術から10日後には無事退院。
35:13退院後も定期的に検査を受け、
35:16異常ないですね。
35:21ありがとうございます。
35:23医師の異常なしを聞くたびに、少しずつ不安も取り除かれていった。
35:30ボイストレーニングも再開。
35:34また、1回。
35:37必ずできますか、大丈夫です。
35:40いろんな感情が出てくると思うので、どんどん出していきましょう。
35:46が、一方で、芸能界復帰など考えることはなかった。
35:50そんな頃。
35:54どうぞ。
35:55あっ、ありがとう。
35:58ねえ、お母さんは仕事復帰せずにさ、ずっと家にいるの。
36:02しゃべり方が恥ずかしいって思うなら、別に復帰しなくていいと思うけど。
36:08お母さんにはたくさんのファンの人が待ってるんじゃないの?
36:10またも娘の一言で、千恵美は人生を取り戻す。
36:21舌を失い、芸能界への復帰は諦めていたが。
36:26しゃべり方が恥ずかしいって思うなら、別に復帰しなくていいと思うけど。
36:30たくさんのファンの人が待ってるんじゃないの?
36:34またも娘に気づかされた。
36:36私、本当は恥ずかしいと思ってたんだ。
36:42自分が芸能界を諦めていたのは、ただ単に以前と違う自分をさらけ出すのが恥ずかしかっただけかもしれない。
36:51えらいな、娘さん。ほんまに。
36:55こうして、手術後初めて歌をテレビで披露。
36:59やりぼっちから、ねえ、ここは。
37:04ごめんね。
37:06あんのいぶなった。
37:09ハンカチなんで。
37:12今の場所で住んでちゃって。
37:18見事な復活を遂げた千恵美。
37:34しかし、この後、家族に危険が迫り苦しむことになる。
37:38復帰のライブの日に、長男が手術っていう方法を選んでよかったなって初めて言ったんですね。
37:50その時に娘が、お兄ちゃん、これでよかったんだねっていう会話を2人がしてるのを聞いて、娘も生きてほしいって、手術っていう方法を選んでって言ったけども、その歌えなくなった私を見てて、本当にこれでよかったのかなっていう思いが、家族はあったのかなって。
38:18よかったね、家族が、そういう感じでいてくれるっていうのは、ライブはこれからもやっていくんでしょ?
38:25もらっていきたいなと思ってて。
38:28なんだっけ、サシスセソギョーだっけ?
38:31サシスセソギョー。
38:33サシスセソギョー。
38:37出ました。
38:44ちなみにもそれ言いづらいって言ってたんだけど今はもうそれがね感じない病気感じさせないぐらいのもう昔のほんとにちあみちゃんの歌い方だったのでなかなかできることじゃないって思っちゃう。
38:58手術後も彼女は毎日ブログを更新。多くの人から励ましのメッセージが。だがその中に。
39:08ステージ4のがんなのに抗がん剤をしていないのはおかしい。
39:13ほかにも。
39:14ガンなのにお出かけしてる。やっぱりサビョーなのかしら。
39:20サビョー?
39:21誹謗中傷はエスカレート。家族に危険が迫る。
39:28ガンを公表したちえみに誹謗中傷が集まり始めた。テレビに復帰すると。
39:35しゃべれない芝居をするな。芝居が下手だったのにずいぶん上手くなったな。
39:41さらにガン闘病の講演会に出ると。人前でしゃべるな。滑裂が悪いから手術し直せ。そしてついには。誰か堀千恵美の家に火をつけてくれ。なんと自宅の住所もさらされ脅迫とも取れる書き込みが。これは許せないと弁護士に相談。これはひどいな。十分侮辱罪で訴えられますよ。
40:10ああそうですかちえみ相手のIPアドレスが分かったぞ送信者のIPアドレスが判明警察はこの情報をもとに送信者を脅迫の疑いで逮捕逮捕されたのはどこにでもいるような30代の男だった
40:40自宅が悪魔されてやっぱり頑張れという言葉をもらって。でもその反面ネットの言葉で傷ついて。でも自分だけの問題ではなかった。家族も
41:40話したという。その後もコメントを書いた人たちを特定し警察が逮捕。
41:48民事裁判でも訴えている。