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00:00京都佐賀の地で400年。
00:10代々受け継がれてきた古の団子、シンコ。
00:17そんな歴史深い団子を守り続けるお上の情熱の源に迫ります。
00:27このあたりのお茶屋さんと伺っていますが、こちらですね。
00:34こんにちは。
00:37循環ライブ撮れたての青木と申します。よろしくお願いいたします。
00:40おいでやす。おきにようこそ。
00:42どうぞ。
00:44佇まいもいいですし、こちら大きな鳥居がありますけれども。
00:50あたごさんの市の鳥居でございます。
00:53あたごさんの。
00:54はい、あたご神社の市の鳥居でございます。
00:56ここからみんなあたご参りされて、市の鳥居のところの昔は茶店でございまして、今は料理といろいろやっております。
01:05ことも歴史を感じるんですが、これ何年くらいやってらっしゃる?
01:09もう約400年くらいのあの家は。
01:12400年。
01:13うわあ、400年前からこの場所にお店があると。
01:17そうです。
01:18井上紀子さん、76歳。
01:25400年もの間、あたご名物の団子、信仰提供する茶屋、平野屋の14代目おかみです。
01:37おいでやす。大きいおマットさん、どうぞ。
01:40どうぞ。
01:41すてき。
01:42どうぞ。
01:44なんか丸いお団子かなって勝手なイメージがあったんですけれども。
01:47はい。
01:48ちょっとこうね、ねじっていて、ちょっとリボンのような形ですけれども。
01:52そうだね。あたごさんが山坂、土坂にね。
01:54坂道っていうことでこう、つぶらに上がると楽に上がれるっていうのをこういうふうにひねったんやそうです。
02:01道中安全にという気持ちも込めてたんですかね。
02:03そうですやろね。
02:04へえ。
02:06じゃあ、ちょっとこの白いお団子いただきますね。
02:10おっ、おいしい。弾力がありますね。
02:23まあ、ちょっと素朴なね。ありですけど、まあ昔からということで、今もね、奥都さんで蒸して、同じことしてます。
02:32なんでこの場所でこの信仰を出してるんですか。
02:35あっあのあたごさん参りしはるお方のねこう疲れを癒やすというか一服していただいてちょっと甘いもんを食べていただいて上りでもよし下りでもよしという新婚の団子でございます。
02:49日伏せの神様で知られるあたご神社。
02:53標高924メートルのあたご山の山頂に位置し、その道のりはおよそ2時間半。
03:07新婚は400年もの間そこへ向かう参拝者たちに振る舞われてきた団子。きな粉と黒糖がまぶされており、程よい甘みが山道を登る疲れを癒してくれます。
03:53抹茶と日記で味付けした後、小さくちぎり。
03:57あたご神社への山道を模した形にひねっていきます。
04:03ちょっとひねって見張りますか?
04:05ああ、いいですか?
04:07くるくるくるっとしていただいて、くるくるっとしていただいて三角にしまうんです。
04:13ちょっと大きいな私。三角にしておきます。
04:19はい、そうです、そうです。
04:21これをね、こういうふうにちょっと端数回に持ってくっと、こうひねりまねます。
04:271、1、1、2、2、それでオッケー。
04:31いきましたね。はい、これでおきますよ。
04:33はい、どうぞ、はい。どうぞ、ごめんやす。
04:35ごめんやす。
04:37いや、全然ねえない。
04:39やっぱり難しい、これ、米粉だから、結構粘り気が強いですね。
04:43そうです。
04:44指にくっついちゃうから、ちょっと柔らかお寿司な。
04:47そうですね、柔らかさと粘り気が強いので、やっぱりこう形をきれいに整えるのって難しいです。
04:53練りの具合、硬さの具合とか、なんかその、それが上手にこう、その季節とか、そんなんと、うまいことこう柔らかすぎたりとか、ちょっと硬かったりとかしまうんですね。
05:05これ、作り方というのは誰かに教わったんですか。
05:09あの、まあ、身をお見まねっていうか、うち、おばあちゃんがね。
05:14はい。
05:15私ら、子供の頃から、おばあちゃんが、私のちっちゃいときからしてはりましたんで。
05:19まあ、おばあちゃんのねきで、私、遊びにもって、これ見てて、できるようになったというか。
05:24うん。
05:26決まった作り方はなく、背中を見て覚える。
05:31そのようにして、14代にわたり、受け継がれてきました。
05:40おかみの一日は、400年代々使われてきたかまどで、お湯を沸かすことから始まります。
05:48どんなに忙しくても、欠かさない日課なのだそう。
05:55このかまどで、つづら織りにひねった米粉を蒸し上げていくのですが、こちらも長年の経験がものを言います。
06:07この火加減っていうのか、そういうのがあります。さかいに。
06:13この周りの温度とか、そんなのもありますので、そこらの何分っていうことはないのでね。
06:19まあ、具合のときに、湯気の上がり方で見てあげます。さかいに。
06:26そのときによって、いろいろですね。
06:28なるほど。これ、ガスとかオーブンとかを使わないというのは。
06:32はい、私とこうね、ずっと進行はずっとこれでしてますのでね、これでしか用しまへん。
06:39絶妙な蒸し加減と程よい甘さが、旅の疲れを癒す一品として、長年愛されるゆえんなのです。
06:53食べやすいし、そんなに甘くなくて、すごいおいしいです。
07:00もう糖分欲しかったんですごい疲れたんで、よかったです。ちょうどいい糖分で。
07:07あたごまいりの力持ちとして親しまれる新子ですが、ある問題が。
07:14今、新子を出す店っていうのは、ほかにあるんですか。
07:18いや、もう荒島線、下荒島へん。この清滝、それからあたごさんの参道のところの茶店、みんな出してはったんです。
07:26やっぱりここもずっとあたごさん周りの方が歩いていかはったんですけど、もうそんな方がだんだん減ってきて、昔の周りとはまたちょっと変わってきましたね。
07:40以前は数軒あったお茶屋も、あたご神社への参拝客が減少し、今では平野屋だけに。
07:52減ってるけれども、今も新子を作り続けている理由というのは何ですか。
07:56お母ちゃん、おばあちゃん、孫女さん、ずっとこの新子をさせてもらって、私もこう作らせてもらうっていうことはものすごく嬉しいっていうのか。
08:05お客さんが食べてもらうっていうことで、嬉しいという気持ちがものすごくあります。
08:12作っているのではなく、作らせてもらっているという意識。
08:17それがあたごの名物を守る覚悟につながっているのです。
08:24一つの団子にこれだけの思いと歴史が詰まっていることを、私は知りませんでした。
08:3514代で脈々と受け継いできたものへの感謝の気持ちを忘れない井上さん。
08:41その思いが伝わり、最近はお孫さんも新子作りを手伝っているそうで。
08:49みのりちゃん、ちょっと。
08:52あ、どうもこんにちは。お孫さん。
08:55はい、孫でございますね。またね。
08:58いつもここで作業されているおばあちゃんをご覧になっているんですか。
09:01はい。
09:02どんなこと思いますか。
09:04本当にすごいなって思います。
09:07将来はこうね、一緒にやりたいなとか、お店立ちたいなっていうのはあるんですか。
09:11あ、ある。
09:12400年の歴史を絶やさぬよう精を出す井上さん。
09:24その思いは、次の世代へしっかりと受け継がれています。
09:38あたこさん周りの人は、ほんまに行きの方、おかえりの方、食べてほしいです。
09:45はい。
09:46お待ちしています。坂井どうぞ。お待ちしています。
09:50昔も今も、そしてこれから先もということですよね。
09:53そうです。
09:54はい。